最初に聞いたときは正直ソロでやっている作風と変わらないなという印象だったので、残念な気持ちになったのですが、二回三回と聴き込んでいくうちにいつの間にかはまってしまいました。この中毒性のある独特のポップ感が黒夢なんだということを再確認させてもらえた作品です。ギターのコード進行などからして目新しさを感じない方もいるかもしれません。自分もそうでした。これをわざわざ黒夢でやる音楽なのだろうかとさえ思いました。ただ、気が付けばまたリピートして聞いてしまっている。もともと黒夢のシングルは活動後期につれて大衆受けを嫌った作風に変わり、アルバムごとに音楽性を変えるなど、次々とファンの期待と予想を裏切り続けてきたことを考えれば、今回のシングル曲もそれにあてはまるものなのかなと思います。ミザリーはかなり王道的なメロディーなので、逆に拍子抜けしたファンの方がいるかもしれないけど、活動期間の熟してきたこの時期にこんなキャッチーなテンポの曲が出せるあたりが清春さんの凄さだと思います。人時さんのベースの印象も話題に上がってますが、サウンドとしての目立ったプレーよりも、個人的には人時さんの作曲したシングル曲が今後生まれてくれればなと思います。彼の作るハードな曲に清春さんの歌声が乗るのが早く聞きたいです。
このバージョンのParaphiliaも非常に完成度が高く、エンディングの衝撃性を感じさせる幕引きの歌声が何ともかっこいいナンバーです。黒夢はシングル曲のカップリングで名曲を残すということがこれまでの活動で立証されているバンドなので、今回もまた素晴らしい楽曲に仕上げてくれたという感じです。欲を言うならバージョン違いのCDをリリースしてカップリング曲を分けるのはやめてほしいです。CDとして購入したい人に対してやっぱり誠実性がない戦略としか思えません。
以上、不満点はあるにしろ、黒夢のビジュアル系時代からハードロック時代への変遷を追いかけてきたファンお方にも受け入れやすく、なおかつ新規のファンも惹きつけるであろう名曲だと思うので、武道館での解散ライブで残念な思いをしてしまった人ももう一度耳にしてほしい作品だと思います。