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本書は大学院レベルの経済学テキストなので,時間を掛けてでも読みこなせば経済学の基礎はかなりしっかりと身に付きます。これは経済学を成立させる数学的バックグラウンドが養われるためです。そのため,経済学を専攻する大学院生には必須といえるほどの本です。西村氏の「経済数学早わかり」(日本評論社・1982)を参考書に,逃げずにがっぷりと取り組むことを勧めたい一冊です。
個人的には,第2章「消費者需要の決定理論」で強い意味の凹関数や準凹関数を押さえつつ,効用最大化(費用最小化)問題のラグランジュ関数を使った解法に慣れることは随分と勉強になりました。練習問題も掲載されているので重宝します。また,第3章「消費者行動の理論:比較静学」では,効用最大化問題と費用最小化問題,通常の需要関数と補償需要関数,間接効用関数と支出関数の相互関係がよく理解できます。スルツキー方程式の説明で代替効果と所得効果が数学的に表現され,個人的には目の曇りが取り払われたような印象を受けました。
経済学専攻の学生にとっては読む労力に見合う対価を必ず支払ってくれる良書です。
経済学を勉強するときは、理論の数学的展開を先にするより、まずイメージをつかむことが大切です。ですから、一度入門書にアタックして、ミクロ経済のイメージをつかんでから、この本で数学的な証明を読む、という方法を取るべきです。数理経済を勉強する人も、証明された様々な定理に経済的意味付けをしなくてはなりません。そのことを忘れずにこの本を読まれてください。
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