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ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策 (プログレッシブ経済学シリーズ)
 
 

ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策 (プログレッシブ経済学シリーズ) [単行本]

八田 達夫
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
価格: ¥ 3,675 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

この本は、ミクロ経済学を初めて学ぶ人のための独習書です。今回出版したのは、その第1巻で、政府の失敗と市場の失敗を分析しています。続いてでる第2巻では、格差是正と効率化との関係について考えます。この本を読むことによって、ミクロ経済学的分析方を用いて、日本が直面している広範な経済政策問題に関する対応策を自分自身で考えられるようになることを目的としています。そのため、本書は次の特徴を持っています。
 第1に、現実の日本の経済政策問題を数多く分析しています。例えば、法曹界における極度の参入規制(第3章)、保育所への公的補助の根拠や国民年金の根拠等情報の非対称性がもたらす市場の失敗の実例(第9章)、道路特定財源(第10章)等です。
 第2に、加減乗除以外の数学を用いていません。また、第1巻では、需要・供給曲線と余剰の概念のみで分析しています。これだけで、実に多岐にわたる問題を、切れ味鋭く分析できることに読者は驚かれるでしょう。本書を読むことによって、余剰分析を自家薬籠中のものとすることが出来ます。(無差別曲線は、第2巻の後半ではじめて導入されます。)
 第3に、読者はまったくの初心者であることを想定しているので、説明は、アメリカの教科書と比べてもより丁寧です。
 第4に、この本の読者の多くが時間のない独学者であることを想定して、この本を読了できなくても、すなわちどこで途中下車しても、それなりに役に立つ洞察が得られるようにしました。極端な話、序章だけを読んでも役に立つし、第3章まで読めば経済学の基本的考え方はすでに押さえられるように構成されています。 多くの教科書が最後まで読んではじめて何らかの意味のあるメッセージが伝わる構成になっているのに比べて、これは本書の特徴的な点です。
 

内容(「BOOK」データベースより)

日本が直面している現実の経済政策問題を評価する方法を学ぶためのミクロ経済学の入門テキスト。基礎理論と、「市場の失敗」「政府の失敗」の分析をとおして基本的な考え方を学ぶ。

登録情報

  • 単行本: 458ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2008/10)
  • ISBN-10: 4492812989
  • ISBN-13: 978-4492812983
  • 発売日: 2008/10
  • 商品の寸法: 21 x 14.6 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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87 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本書が日本の政策問題を分析しているミクロ経済学の教科書であることを、yyasuda氏のブログで知り、買った。期待以上に面白かった。その理由は「理論の説明の分かりやすさ」と「理論の日本の政策への応用例の豊富さ」にある。

これまでいくつかのミクロ経済学の本を読んできたが、本書の理論の説明の分かりやすさには驚かされた。大学での講義がベースとなっているだけあって平易な言葉で書かれていてすらすら読める、ということもあるが、序論で「効率化」の概念を明確にした上で、政府の失敗と市場の失敗(政策が必要なのは主にこれらの是正のため)の例を与え、全体で分析しようとしている内容に関する明快な展望を与えていることが大きい。また、市場の失敗をまとめて論じているなど、章の配列が体系的だ。さらに、ある政策課題に対して、さまざまな角度からの対策を提供してくれるのがありがたい。例えば7章、8章、11章における外部不経済対策の説明では、首尾一貫して川の上流の企業が川の水を汚染し下流の企業に迷惑をかける例が論じられ、この問題に対応するための手段である数量規制、ピグー税、ピグー補助金、コースの定理、排出権取引が、どう関連し、どう異なるかが、一目でわかるようになっている。

しかし、本書の真骨頂は「理論の日本の政策への応用例の豊富さ」にあるだろう。3章を読むまでは、参入規制の結果、日本の地裁の裁判官は官庁の次官と同額の給料をもらっている、なんてことは知らなかった。また、10章のように、道路特定財源の存在理由の整理をしてくれているミクロ経済学の教科書が、今までどこにあっただろうか(いやない。多分)。書ききれないのであとはぜひ読んで欲しいが、日本の政策形成にも深く携わってきた著者が、自身の経験も含めて、理論の実際の日本の政策の応用例をいろいろと教えてくれる。それによって、説明された理論が「使えるものなんだ」ってことが実感できる。

特にこれから経済学を学ぶという人や、「経済学なんて使えないや」と思い込んでいる人は、ぜひ本書を読んで欲しい。きっと、目から鱗が落ち、本書で学んだ理論を現実の政策課題に対して適用してみたくなるんじゃないかな。

ところで、全体の中の前半部分である本書の分量は、「マンキューミクロ」の約3分の2、「クルーグマンミクロ」の3分の1だが、トピック的にはほぼ同一の内容をカバーしている。例えば、本書がカバーしているトピックは、「マンキューミクロ」の本体部分である15章までとほぼ同一だ(予告目次によると、『ミクロ経済学<2>』は混雑や格差問題のような応用的問題に焦点を当てているようだ。そちらも楽しみ)。従って、『ミクロ経済学<1>』だけで十分「マンキューミクロ」や「クルーグマンミクロ」の本体部分をカバーしていると言える。

『ミクロ経済学<1>』が、日本の政策問題を分析していて、かつ説明が体系的でわかりやすいことを考えると、ミクロ経済学をはじめて学ぶ人にとって、この本の読書時間当たりパフォーマンスは、「マンキューミクロ」や「クルーグマンミクロ」と比べてかなり高いと思う。
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