小学校では鮒の解剖実習さえ気味悪くてならなかった私が、中一の春にTVで初めてこの作品を見た時には、最初から最後まで何の不快感も恐怖感も嫌悪感も抱くことなく、文字通り夢中になって見通してしまったことを、今もよく覚えています。あれからもう随分経ちましたが、現在の特殊撮影技術で作られた精巧で鮮明な画像に、もう殆ど日常的に慣らされてしまっている者の目にも、決して古めかしくも稚拙にも映らず、見返す度に「ああ、面白かった」と素直に満足の吐息を漏らすことが出来る、本当に素晴らしい作品です。
不思議なのは、この60年代の特撮技術で作られた映像の方が、最近のCGを駆使して作られた映像よりも、時としてより本物らしく感じられてしまうことです。特撮映像もCG映像も、いずれも人の手で作られた非現実世界の画像であることに変わりはないのに、この違いは一体どこから来るのでしょうか。加えて、同じ「手作りの画像」ではあっても、CGで作られた体内の景色からはとても「体温」までは感じ取れない気がするのに、この作品の場合は、何とも言えない「人の体の温かみ」が全編から伝わって来るように思えるのも、また不思議です。
以前、日本語音声を収録したDVDが出た時に買いそびれてしまい、今回の再発売は本当に待ち望んでいたものでした。開封前、帯に隠れて声の出演者のお名前が判らず、役名に「コーラ」というのが確認出来たので、これはもしや、初めて見たNTV系での放映時の音声なのでは!? と、一瞬期待したのですが、実際に収録されていたのは、後に他系列の局で放映された時の音声でしたので、それだけが少し残念だったかも知れません。出来れば、広川太一郎さんのグラントが「CMDF」の意味を尋ねて言う「チャーミング・マンキラー・デリシャス・フラワー?」が、もう一度聞ければより嬉しかったのですが……。