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マーラー (河出文庫)
 
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マーラー (河出文庫) [文庫]

吉田 秀和
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

マーラー生誕150年から没後100年へ。マーラーを戦前から体験してきた著者が、その魅力をあまさずまとめた全一冊。ヴァルターからシノーポリまで、演奏解釈、ライヴ評CD評も充実。

内容(「BOOK」データベースより)

ヴァルター、バーンスタイン、バルビローリ、ショルティ、カラヤン、レヴァイン、ブーレーズ、シャイー、シノーポリ…。生誕150年、没後100年を迎え一大ブームとなった作曲家、グスタフ・マーラーの交響曲を始めとする音楽と、その演奏解釈の魅力をたどる。

登録情報

  • 文庫: 216ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2011/3/4)
  • ISBN-10: 4309410685
  • ISBN-13: 978-4309410685
  • 発売日: 2011/3/4
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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32 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kewpie VINE™ メンバー
生涯最後に買う本は「吉田秀和全集」にしよう。そう単純に考えていたけれど、この人の文章は、生半可な覚悟では読めない。30年前にも、その知的な香気と含蓄の深さをおぼろげに感じることならできた。しかし、「理解」には遥か及ばなかった。難解な文章ではない。言葉は美しく、論理展開はまっすぐである。言葉の端々に鋭い知性が光る。試されるのは、彼の恐るべき知識と分析力を追えるだけの、こちら側の知力。今の私にとっても、やはり彼は、容易に登頂を許さぬ高峰。私の神。

「吉田秀和は本当に偉いのか」などという特集を組んでいる雑誌がある。どういう結論になっているのか、私は知らない。東大を出て内務省に入省、戦後評論家に転じ、多国語に通じ、ヨーロッパ楽壇華やかな時代に外遊、グレン・グールドを「発見」して日本人の目を開かせた。また活動する批評家であり、小沢征爾ほか多くの芸術家を育てた。中原中也や小林秀雄と交流し、文学、美術、さらには日本の芸能に通暁し、97歳の今も現役で執筆活動を続けている。彼のいない日本の芸術批評など、考えられるか?少なくとも、彼をダシに売名と金儲けを企むアナタよりは、ずっと偉い。

その彼でさえ、批評という行為に疑念を挟むことを止めない。本書でも再々、日本の音楽批評のあり方に疑問を投じる。底の浅い、好き嫌いでしかない、比較論でしかない、ただの感想文が、メディアによって次々に消費される国。「のけぞった」「驚倒した」「仰天した」等々、大げさな表現でインパクトを競う、演奏の好き嫌いを比較するだけで事足りる、気に入らない芸術家を能無し呼ばわりする、アナリーゼなんてできない、情緒だけでモノを言う、芸術の意義・価値・あり方に無関心な自称評論家たち。彼はそんな連中と別次元にいる。本書では、長文の「マーラー」(p.15-81)が、とりわけ圧巻。あえて注文をつけるなら、初出年を各文章の冒頭に記してほしかった。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この本の中で取り上げられている吉田秀和氏の文は大変長い期間に渡っている。
1948年から2002年までと54年にも渡っているのだ。
それぞれの文章を読んでいくと氏のマーラーへの思いや世間のマーラーの受容
の姿が窺える。大体一つの文章が一つの交響曲に対応している。
また、いつものように譜面を示してマーラーの芸術の仕組みを解説してくれる。
大変楽しく読むことができた。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西岡昌紀 VINE™ メンバー
−−マーラーはむずかしい、私には。私には、まだ、彼がよくわかったとは言えない。では、なぜ、彼のことを書くのか?私はマーラーの一部しか知らない。だが、その一部でさえ、私の心を強くとらえ、彼の全体について、知れるだけのすべてを知り、味わえるだけのすべてを味わいたいという欲望をかき立てずにおかない。だが、私には、いつになったら、それがやれるか、その成算がないのである。−−(本書(河出文庫・2011年/初出1973年10月〜1974年2月『ステレオ芸術』)15ページ)

 吉田秀和氏が、マーラーについて書いて来られた文章を、古い物は、1973年の文章から集めて、文庫本にした本である。上の文章は、この本の冒頭部分であるが、マーラーに対する吉田氏の姿勢の謙虚さに印象ずけられるのは、私だけだろうか?言ふまでも無い事だが、マーラーについて、これだけ多角的に語った本であるから、読めば、共感する部分もしない部分も有るに違い無い。だが、これだけ永くマーラーを、そして音楽を聴いて来られた吉田氏の本である。とにかく、マーラーを聴く傍らに、この本を読んで、自身の感性と吉田氏の言葉をぶつけてみる事を、お勧めする。

(西岡昌紀・内科医)
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