サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーがリーフレットの見開きに掲載してありました。弦も金管も木管もパーカッションも世界で活躍しているソリスト集団なのがわかる豪華なラインナップです。臨時編成のオケですが、斎藤メソッドで学んだ同じDNAをもつ音楽集団の一体感が伝わる演奏でしょう。小澤征爾だからこそまとめられる集団でもありますが。
第1楽章の「いかなる目的のために汝は生まれてきたか」という問いかけに答えているのが第5楽章ということになるのでしょう。構成的にはそのサンドイッチの中に美しい楽章がはさまっていることになります。
第4楽章の金管合奏によるコラールからコントラルトが歌う個所が好きです。ソロのナタリー・シュトゥッツマンはリートやオペラ、受難曲などで様々な録音を残している歌手ですからキャリアもあり声は実に立派です。流石に日本人歌手ではこの声質は難しいのでしょう。
第5楽章の合唱部分が「復活」のハイライトだと考えています。過去にシンフォニーホールで「復活」を歌った経験がありますので、どうしても合唱の上手下手で評価してしまいます。ただ、このCDは故関屋晋氏が率いる晋友会合唱団が歌っていますので安心して聴いていられました。実に見事な合唱を披露しています。地の底から浮かび上がってくるような量感ある合唱ですし、豊かで輝かしい発声を誇っています。女声もいいですが、男声の迫力たるものや見事の一つです。
コントラルトのナタリー・シュトゥッツマンに評価が集まりますが、ソプラノの菅英三子の軽やかなコロラトューロ・ソプラノも魅力的でした。晋友会合唱団の合唱に埋没しないソロというのは結構大変でしょうから。ラストのオケとソロと合唱が混然一体となって怒涛のように押し寄せてくる迫力はリスナーに快感をもたらします。
演奏が終わると同時にbravoの掛け声と盛大な拍手が送られました。2000年1月の東京文化会館のライヴですので、聴衆の熱気が伝わってきます。
リーフレットは、柴田龍一氏の曲目の解説、メンバーリスト、歌詞と深田甫氏による対訳が掲載してありました。