やっと手に入れた新築マンションが重大な欠陥マンションだったとしたら、あなたはどうするでしょうか?外壁には無数の亀裂が走り、雨漏りで天井板は垂れ下がり、カビだらけ。高齢者は原因不明の発熱を起こし、子どもは喘息……信じられないような突貫工事!で建てられたニュータウン。そうした悲劇に巻き込まれた人々と紛争の顛末を、この作品は息を呑むようなテンポで展開していきます。緻密な取材力に定評のある作者の筆がひときわ冴える、「マンション問題」の2作目の本作品では、都市の景観紛争や、人とマンションの「老い」の問題も取り上げており、人々が安心して暮らしていける建物・地域とは何かという問題に正面から切り込んでいます。「建築は、そこに生活する人間がいてこそ、生命が宿る」という作者の言葉の中に、人間に対する山岡氏の熱い情熱が感じられる本です。地域の「コミュニテュイ」創りに奮闘する人たちの姿も描かれて、読後感はさわやか。人と人とのつながりの中に、一筋の希望が見えたような気がしました。マンション購入を検討されている方はもちろん、都市や環境問題、建築に興味がある方など、多くの方にぜひ一読をお勧めしたい一冊です。