一般的に、大陸を横断するような長距離自転車踏破の旅行記ってゆうものは、その気が遠くなるくらいの過酷な自転車こぎの話に尽きている。
極限を超えた壮絶な自己との戦いを示す、あと何キロとか、何キロ走破したとかがメインであって、その端々に、訪れた地に対する文化や人との触れ合いが見え隠れするものだ。
著者も壮絶でしんどい体験をいやというほどしたはずなのに、この本には、そういったところ、走破した行程といったプロセスがあまり見当たらない。
そのような詳しいことは著者がブログに書いている。これも、よくできており、実におもしろい。ぜひ本にすべきだ。
自転車をこぎ、その日にようやく到着した地を訪れ、そこで出会った人々に対して、アフリカなら誰でもが普通に簡単に手軽に食べられるという「マンゴー(日本で例えるならば、コタツで食べるミカンだろうか)」をキーにして、「人の温かさ」というアプローチで触れ合いの旅をしていることがよく伝わってくる。
本書やブログともに、標準語で書かれていないところにも、素朴な親しみを感じる。
写真はまったくないが、「丸坊主」だったからでしょうか。でも、写真の代わりにイラストが盛りだくさんで、すごく素敵だ。
旅と人を愛するおしゃれな青春の1ページだ。