経営書・ビジネス書というと普段退いてしまいがちになるのだが、これは意外な経営書・ビジネス書である。本の器(ハードウエア)と、中身(ソフトウエア)の両面から、意表を衝かれた。
手にしてまず感じたのは、カバーデザインがビジネス書らしくなく、じつによい。そして持ちやすくて手に馴染む造本(紙と製本)。ページを括ると、刷り色も工夫されていて、本文デザインもよく、中身にひきこまれ。なかなか通常の経営書・ビジネス書にはない造本だ。その器に見合って中身も心に馴染んでくる仕掛けになっている。
超資本主義社会の中で、わたしたちは否応なく、生き急がざるをえない。そんな中でなんとかきちんとまともに企業運営したり、マネジメントしたり、ビジネスの構築を考えようとするとき、ふと立ち止まって考えさせてくれる指針やアドバイスがいろいろなところに散りばめられている。
著者はリクルートグループの人事部長などを若くして務め、大リストラなどを断行していることが言葉少なに語られているのだが、思うに、その体験を通じて学んだことが著者の底流にあって、そこから生み出された、希求する経営・働き方への想いが行間に溢れていて、本書の味わいを深めているように感じられる。
大不況時代の今だからこそ、求められる本ではないだろうか。