名著「マンガ日本経済入門」の続編にあたる作品。21世紀を迎え、世界経済動向を語るのに欠かせないファクターの一つになった中国経済にスポットライトをあて、その動向と展望を中心に、日本経済の現状と未来への可能性を語る内容となっている。前作の「マンガ日本経済入門」が現状認識と説明がメインだったのに対し、今作では将来への希望的なアプローチにも重点を置いているのが特徴。
発想の転換と価値観の逆転というキーワードを元に、日本経済の現状分析を行うと共に、これから日本が進むべき道筋を示している。そして後半では、恐らくこちらがメインテーマなのだろう、かつてのアメリカの好景気時代や日本のバブル時代にも増して加速的に進んでいる中国の急速な経済発展と超バブルともいえる資本主義的市場化、そしてそれに伴うさまざまな「ゆがみ」の問題が語られている。さらに気になるのは、その先に見えてくる様々な問題点を一挙に解決するとされる、中国特有の利己的発想による、極めて簡単でしかも他国を大規模に巻き込む(そして時流を見る限り行われるであろう)問題解決法。そう遠くない未来、当書が単なる夢たわごとの書籍ではなく、預言書として再評価される日がくるに違いない。
もちろん出来うる対策法の一部も紹介されており、「気がついた」企業の中にはそれを実行に移しつつあるところも見受けられる。「百年の計」という言葉があるが、数か月、数年の短期的視野ではなく、十年、数十年、の単位で国家・企業・個人を問わず、ビジネスも付き合いも考えないといけないということを、当書では教えてくれる。
今作は「ビックコミックビジネス」での連載に加筆修正を行い出版されたもの。前作と比べ話題にはあまり登っていないが、一人でも多くの人に目を通してもらいたい一冊といえるだろう。