このマンガの本当の功績は、おそらく書籍を書いたことのある人や、
もしくは何かの作品を、評価される形で世の中に出したことがある人しか分からないと思う。
心というデリケートな分野をギャグにするのは、思われる以上に難易度が高いことだ。
過激になりすぎてもいけないし、だからといって無難にしすぎると、つまらなくなってしまう。
しかしこの本は、そのギリギリの中で、ちゃんと成立している。
たとえば「うつの人にもっともやってはいけないことは何か?」
この「お題」にたいして、あなたならどんな「オチ」をつけるだろうか。
「励ます」「話を聞かない」なんて普通の答えでは、笑いにならない。
だからといって「殴る」「キズつける」などの答えでは、シャレにならない。
そこでこの作者たちのオチは…。ウラ面のマンガを見ていただきたい。
まさに「絶妙のバランス」なのだ。この答えは、練りに練られているといって過言でない。
全編にわたって、そんな絶妙なオチで構成されている。
この本にたいして「知識の内容が…」なんてしたり顔で解説する人は本質が見えていない。
精神科という、誰もが記すのに尻込みする内容を、最大多数の人が楽しめる形でマンガ作品として成立させるのに成功していることこそが、このマンガの一番の凄さだと思う。