経済、会計、金融、株といったテーマを、マンガで解説するという本
はこれまでにも多数出版されているが、実際に読んでみるとおおよそ
どれもが満足ゆく内容であったりする。特に、それなりの売り上げを
誇り多くの人に読まれている本であれば、なかなかハズレはない。
この本もまさにそれに当てはまり、統計学の導入本・基礎本としては
大変素晴らしいものである。
とはいっても、どうしても「マンガ」というだけで不安を覚えたり、
反射的に馬鹿にしてしまう方もおられるであろうから、もう少し具体的
に内容に触れておきたい。私は、大学院(経営系)で学んでいる身で
あるが、この本書がカバーしている範囲は「統計学を専門とはしないが、
大学・大学院レベルの教養として、知っておくべき統計学の範囲を網羅」
している。つまり、これを読んでも専門家にはなれないが、統計学の
土台となる部分はしっかり盛り込まれているということだ。実際、
私が大学院の講義(統計基礎、計量行政)で学んだ内容は、この本に
書かれていることに「若干+α」した程度である。この本の内容を土台
として、具体例に基づく演習やExcelの応用及びSPSSなどの統計ソフトの使い方
を学べば、大学院での講義内容をカバーしてしまう。ただ、統計に
用いられる数式の理解については、「こういうものだとして覚えて
しまう」のが本書の限界である。この点、数理系の分野に詳しい方
には物足りないかもしれない。この点だけ注意が必要である。
統計学に興味を持った人の導入本として、また、統計学の基礎部分を
ざっと復習するための本として、非常におすすめできるものである。