2003年に実業之日本社からA5版の版型で刊行された単行本『マル被警察24時』に
短編5編を追加し、版型をコンパクトな青年誌コミックサイズに変更した新装版です。
ちなみに、レビューのタイトルは本作の帯に記載されたキャッチコピー。
くたびれたおっさんを絵に描いた様な(実際“絵”なんですが)ベテラン刑事・赤山、
若さゆえの空回りの目立つ新米刑事・黒川、
迷走しつつも時おりキレ者の面を覗かせる女性刑事・藤、
余りに凄みの効いた御面相のため、犯人がみな自白してしまうコワモテ刑事・落谷、
犬でありながら実は署内で一番有能かも知れない、警察犬・ホルモン…
などなど、個性的な面々による刑事物ギャグマンガなのですが、
謎の殺人犯「過原&マカナイ」を巡って物語は終盤に本格サスペンスめいた展開となります。
ただ、「真面目くさったままでは終わりたくない」小田氏の性分なのでしょうか、
新装版のための描き下し後日談と合わせて「いい味わい」のエンディングを迎えます。
視点のユニークさが目を引く小田作品ですが、本作でも持ち味は炸裂!
とりわけ赤山刑事が飲む「水道水」の主観で描かれた一編(※第19話)などは、
無生物を主役に据える自由な発想力に感嘆させられます。
追加収録された“脱力系”が中心の短編群も、本編に負けず劣らず必笑の出来。名著ですよ。
追記 : カバー折り返しの著者近影(※小田氏による自画像)が、旧版の物と比べ
ヴァージョン・アップされており(アシスタントが2人付き、電気スタンドも新調!)、
これにも笑ってしまいました!!