登録情報
|
三分冊構成の三冊目のこの本の前半はカジノの最高額チップに隠された機密情報を盗み出すために、ブラックジャックの勝負を挑む話なのだが、これがものすごい。運だけでなく、知識、計算、五感、文字通り全身全霊を持って行われるディ-ラーとの駆け引き、というよりカードを武器とした戦い。もちろんイカサマだってあり。食うか食われるかの戦いの中ではイカサマは見破れないほうが悪い(もっとも大詰めの頃になるとイカサマなんか入る余地がなくなってしまっているが)。はっきり言ってこのカードの戦いに匹敵するほどの戦いの物語が他にどれほどあったか。
ただ残念なのが、前半のカードでの戦いの印象が強烈過ぎて後半の宿敵との決着が印象薄くなってしまったこと。カードの戦いを通じでバロットが大きく成長したのに対し、宿敵のボイルドは物語を通じて成長が無かったことがこういう結果になってしまったのだろう。ボイルドは人として成長することを止めた人間、いわば生ける死人みたいなものだったから生者が死者に負けるはずもなかった。物語の基本構造上止むを得なかったかもしれない。
その部分を差し引きしてもバロットの戦いは読む価値があると思った。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|