以前から気になっていた映画ですが、やっと観ました。ユ・ハ監督の自叙伝的な映画ということですが、70年代の韓国は戦後の独立、南北分断などを経て、一応軍事政権から朴大統領の時代となって、以前よりは安定してきた時代ですよね。それでも文化統制はされているし、日本の70年代なんかと比べたら暗雲とした時代ではないでしょうか。
そういう時代を考えると、日常的に繰り返される暴力や権力の嵐の中に身を置きながら「自分らしく生きようとする」、自分探しを一生懸命している高校生たちのステキな青春映画です。キャスティングもいいです。
主人公の高校生役のクォン・サンウが、切ない表情や押さえた演技がすごくいいですし、韓国のオリビア・ハッセーと呼ばれたハン・ガインの70年代的な美しさとやはり自分探しをしているからこその残酷さ。彼女は、「悲しき恋歌」でスンホンが降板したあとにゴンウ役を演じたヨン・ジョンフンと昨年結婚しましたね。そして主人公が、彼女を巡って愛と友情の板ばさみになってしまう、クラスの番長役に「ラブストーリー・イン・ハーバード」に出演しているイ・ジョンジン。しかし、2003年制作の映画で、学生服が似合ってしまう彼らっていうのもスゴイです。
実は、この映画を観たあとで、東陽一監督、寺山修二脚本、永島敏行主演の「サード」という、大都市近郊の町から脱出しようともがく若者たちを描いた、これまた切ない私の好きな青春映画があるのですが、その映画を思い出しました。切なく、ほろ苦い青春映画が好きな人にも、あるいは時代は違いますが、韓国映画のチョ・スンウとソン・イェジンの「ラブストーリー」が好きな人にもおすすめできます。