ユダヤ人であり、女医であり、シングルマザーであるハンナが、
ドイツ軍による迫害を恐れ、あとで引き取るつもりで病気の7才の次女マルカを、
世話になった家へ置いてゆくが・・・
著者は、現在イスラエルに実在の女性、マルカに取材し、マルカの記憶の不鮮明な部分は
想像してこの本を書いたという。
ハンナとマルカの2視点で、別れから出会いまでを時間軸を追って描かれている。
幼いマルカは、7才にして生きる術を嫌でも身につけなければならなかった。
母の人脈や容姿、知恵や運にも恵まれ、過酷なゲットーでの孤児生活をも生き抜き、
ラストは母ハンナに再会するのだが・・・
ホロコースト文学では、仲の良い絆の深い家族がよく描かれているが、この本では、
生き抜いて再会しても、一抹のさみしさが残った。