マリー・キュリーは幾多の困難を乗り越えながら全身全霊で科学に取り込み、ノーベル賞を二回も受賞した偉大な科学者である。
だが本書ではただ清廉潔白な姿ではなく、さまざまな葛藤も抱えつつ、ひとりの人間として、女性として描かれている。子供の頃に伝記で見知った「キュリー夫人」像とはずいぶん異なり、驚くことも多い。
しかしそんなマリーはとても魅力的であり、現代女性にも共感できるところは多い。読み進むうち、マリーのことを、そして科学のことをもっと知りたいと思うようになってくるのではないだろうか。
本書に描かれている科学的内容はとてもわかりやすく、ラジウム発見に至るまでのエピソードも非常に興味深い。科学好きな方はもちろんのこと、これまで科学に興味のなかった方にも、ぜひ、お薦めしたい一冊である。