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時既に遅しかと。離れて暮らし、お互いを思いやる気持に溢れる箇所も随所に見られ胸が熱くなりました。今まで、伏せられてきた箇所も今回
公開されているとの事。後世に名を残した、偉大なるこの親子の往復書簡は永久保存版として、手元に置いておきたい一冊です。
訳者のことばにある通り、この時代の人々は伝達手段がもっぱら手紙のせいか、実に細かく長い手紙をまめに書いています。一日中机に向か!っていたのかと思うほどですが、これは現代人のメールに匹敵するという解釈になるほどと思いました。
面白いのは、娘が母親に夫婦間の出来事や体調について、赤裸々に報告しているところです。宗教行事や政治の話と同じ次元でこの手のことを話し合う母娘というのが、この時代の特徴だったのか王室の常識なのかわかりませんが、結構びっくりしました。
母マリア・テレジアがアントワネット25歳のときに没してしまったため、これ以降の手紙というのはこの本には載っていません。マリー・アントワネットの人生を研究するため、あるいはベルばらファンの探求心(?)で、この後の彼女の書簡というのが刊行されればぜひ読みたいと思います。
読んでみて思ったのは、やはり母親というのは子供のことはよく分かっているんだなということでした。怠けたり、いい加減な返事をしているのをちゃんとお見通しなんですよね。文中では、女帝が王妃にたいしてかなりの表現(面と向かっていわれるとグサッとくるような)で注意を促したりしています。
国益からくる「注意」もあったでしょうが、やはり一番察せられたのは母親の想いでした。本当に娘が心配で心配で仕方がなかったのでしょうね。女帝の心配は的中してしまうわけですが、王妃が自分に負けないでそのいいつけをしっかり守っていたら、また違った人生を送れただろうにと思うと悲しくもなりました。
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