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ユーモアミステリーが有名な作者とは思えない、そういう意味では全く違った作風に引き込まれます。
ということでユーモアが効いている赤川作品にも、背中あわせのように暗さ、或いは哀しさがついて回っているのが常です。そこら辺が、軽いように見えて実は奥深い作品世界を生み出しているのではないでしょうか。
で、この作品には、いわゆるユーモラスさは殆どありません。非常にサスペンスフルに、物語は進みます。勿論そこは赤川次郎、リーダビリティは抜群です。とてもスイスイ進めます。それでいてこの濃密な読み応え。見事です。まるでヨーロッパのハイセン!スなサスペンス映画を堪能している様。
赤川次郎の、特に初期の作品群には、かなりのミステリ・マインドを感じるものが多いですが、これはその中でも最高峰に位置する作品の一つ。ピンと張り詰めた前半から、一転してなだれ込むように展開する後半、そしてラストの衝撃。赤川次郎は読んだことがない、という本格志向の人は、これは読まなきゃ勿体ないです、マジで。
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