キリスト教関係の書籍を購入するために立ち寄った教文館で、見つけて購入した。
私の中で、ピーター・シャビエル氏の小説は「お気にいり」になっていたので、偶然見つけた事が、とても嬉しく、ワクワクしながら読んだ。
穏やかで暖かみのある文章表現の中に、紹介文にあるように日本とアメリカで旧教、新教の両神学を学ばれた著者であるが故に書けると思われる、真実に迫り、魂に訴えかけるものが感じられた。
主要登場人物のある女性が出会った「醜いマリア」は衝撃的であった。
その後、「悔い改めたマリア」から「本当のマリア」へと読者をいざなっていく文章にはみごとなものが感じられる。
そこで用いられる「リルケの詩」や実際にあった「ピエタ像破壊事件」の背後にある一般的にはあまり知られていない事実についての描写には説得力があり、既存のマリア観について考えさせられた。
表紙の帯に「カトリック世界のタブーに挑んだ」と書かれているが、教派を超えて誰もが納得できる真理を、沈滞しているキリスト教会に著者が投げかけているように感じられる。
そして、結果的には、こころに平安をもたらしてくれた一冊であった。