マラドーナさんがアルゼンチン代表監督に就任してから2010年W杯予選を戦い、出場を決めるまでを取材し、その軌跡を書いた本です。
感想、解説をきちんと書くのはきりがないので、かいつまんで感想を述べます。
読む前に私が一番知りたかったのは、“2010年W杯最大のミス”(個人的に)である、『グティエレスの召集と起用(贔屓)』です。
召集については、代表監督としてのデビュー戦で既に先発メンバーとして出場しており、その理由については載っていませんでした。
しかし贔屓については記載がありました。
2009年8月12日のロシア戦での活躍ですっかり気に入ってしまったようです。
<「今日の試合でホナス・グティエレスは俺のハートを射止めてくれた。今のアルゼンチンは『メッシ、マスチェラーノ、ホナスと以下8人』だ。」>
とあります。
私はグティエレスについて詳しく知りません。クラブチームでのプレーも観た事がありませんが、W杯で見る限り「攻撃的なプレーは上手いがディフェンスはヘタクソ」な選手である事は間違いありません。
まぁ、どの監督でも「好み」というものがあり、それが監督の特権ですから仕方はありませんが、どうも私とマラドーナさんの「好み」はかなり違うようです。
リケルメの話はここでは語りませんが、2010年W杯に召集されなかった私の「好み」の選手、サネッティ、ガゴ、ダトロ、アイマール、バタグリアなどは予選では召集されていました。
サネッティとガゴについてはブラジル戦で負けた後に外されており、ブラジル戦のプレーが良くなかったのだと推測します。
しかしダトロはゴールを決めてマラドーナ監督と抱き合ってましたし、アイマールについては常々「お気に入り」発言をしている選手なのに、なぜ本番で外したのかはわかりませんでした。
この本は監督就任してからの戦いの様子やコメントがレポートしてあります。
アルゼンチン代表はW杯に出場できるかどうかギリギリのところまで追い込まれますが、最終戦のペルー戦、1-1で迎えたロスタイム91分に、ボカのパレルモがゴールを決め、W杯出場への望みを繋いだくだりは、読んでいて熱くなりました。
終わってみれば、内輪のゴタゴタがあり、リケルメが抜け、なかなか勝てず追い込まれ、批判を浴び、マスコミともめ、ぎりぎりまで追い込まれて最後には勝って見事に結果を出す。
・・・・まさにマラドーナさんらしい予選の戦いぶりでした。
「サッカー文化の浸透していない国」の日本ですら知名度抜群のマラドーナさんですが、さすがに細かい部分は大半の人は知りません。
この本には、話題になり注目されやすい事件や発言だけではなく様々な周囲の事情や状況について書いてありますので是非サッカーファンには読んで頂き、アルゼンチン代表の事を理解して頂きたいです。
そして著者の藤坂ガルシア千鶴さんには、是非「2010ワールドカップ編」を期待しております。