巷には「トンデモ説」を面白おかしく、時には煽動さえするような評価できない本が出回っているが、この本は可能な限り科学的にミステリーを解説する良心的な本である。
大きく3章から構成され、第1章マヤって何?、第2章マヤの歴史と文化、第3章マヤとメソアメリカにまつわるミステリーという内容となっている。多くの人が興味を持つのは、第3章だろうと思う。2012年人類滅亡説、マヤ文明と異星人、マヤ文明と幻の超大陸という話題を、いくつかの細かいテーマに分けて解説している。パレンケの石棺に描かれたロケット、水晶ドクロなど、マヤ文明を知っている人にはおなじみの話だが、この本のスタンスは、次の表現に集約できる。「オカルト説のほとんどは科学的根拠のないものや事実誤認に基づいたもの、あるいは強引なこじつけでしかなく、到底、信じるに値するようなものではない」
好奇心を掻きたててくれると同時に、事実をしっかり見つめる視点は、非常に好感が持てる。この本でマヤ文明に興味を持ったなら、芝崎みゆき著の「古代マヤ・アステカ不可思議大全」(イラスト系)、多々良穣著「ようこそマヤ文明へ」(文章系)なども読んでみるともっとマヤ文明を知ることができる。