あらゆる点から本当に価値のある書物です。現在の医学では治癒の難しい病を患った宗太郎くんとお母さんの想い出を綴った本です。著者は母親ですが半分は宗太郎くんが作者でもあります。最終的には残念な結果になってしまいますが、宗太郎くんが生まれてから亡くなるまでの9年間をまとめたあげ、さらに現在の移植医療についても内から触れている貴重な一冊です。
この本はとても読みやすく、聡明な宗太郎くんを中心として、お母さん、医療スタッフらが宗太郎くんにとってどの選択肢が最善かを悩みに悩みながら綱渡りとも思える人生を歩んでゆく様子がひしひしと伝わり、こちらもドキドキしてしまいます。
移植については世間でも賛否両論です。宗太郎くんの場合も、母親は当初躊躇していました。しかしこれまでの闘病によって既にあらゆる臓器が限界にきていました。移植を受けさせようと決意したのは、宗太郎くんが、「宗太郎も治りたい」とつぶやいたことがきっかけでした。それは、移植手術を受けた子がハンバーガー目の前に、もう治ったのだからとハンバーガーを食べるために鼻管を抜いてもらうシーンをテレビでみたとき、発せられた言葉でした。生まれてからずーっと、治りたい、おいしいものが食べたいという願いも持ちつつ、それを表に出さずに気丈に明るく頑張る幼い姿に、どんな感動する映画でも涙腺の動かない私の涙腺は緩みまくり、鼻をかみまくり読み終えるころにはゴミ箱がティッシュでいっぱいになってしまいました。作者のお母さんには是非、幸せだったと思える人生を送っていただきたいです。
生涯に一度は読んでおきたい本の一冊であると思います。