小説やギャルゲのコミカライズといえば、どうも単なるサマライズ、
細部に宿っていた神を削ぎ落としての商品化というイメージが拭えないし、
実際にそのような「何故漫画化したのか良く分からない」作品は多く。
オルタのコミカライズもゲーム版に思い入れがあるだけに不安でしたが……
蓋を開けてみれば単に巧い、という以上に「漫画ならでは」の表現を盛り込んだ
すばらしい翻案、コミカライズとなっています。
本編では語られなかった背景的な別シーンを漫画ならではの短いカットインで
さりげなくイメージ化して見せたり、冥夜が模擬戦を前にした朝に剣術で
精神統一を図るシーン追加など、キャラ心理についてもゲームの立ち絵では
表現しきれない部分を丁寧にフォローしており好印象。
そして夕呼先生が武に向かって逆切れしてみせるシーンは、まさに漫画でのみ
為しえる背景、アングル、そして表情によって、先生の追い詰められた絶望感が
原作以上に深く感じられるようになっており、「原作を補完してより深みを与える」
という翻案作品の鑑のような名シーンに仕上がっています。巧い!
戦術機機動なども文章より分かりやすいので、「これでオルタを知る」ことも可能
ではないかと思います。願わくば長く(最後まで)続いて欲しいものです。