出版社/著者からの内容紹介
「マネージ」を世界で実践してきた男の成功ヒストリー!
滝が怒鳴っているのを見たことがないと多くの人が言う。フランク・モリも「怒鳴るのは私の仕事だ」と言うが、滝は怒鳴るにも信念があるのだ。「会社のスタッフなど自分よりも下の者には怒鳴らない。私が怒鳴れば、彼らの頭のなかは、真っ白になってまた失敗をする。弁護士など、外部で権力のある人を怒鳴ることはある。このあいだもある市長を怒鳴りつけたよ」
いつも温和な滝が、大きな体をゆすりながら怒鳴ったらさぞ迫力があることだろう。
一見、華やかなファッション界は、FUCKという4文字言葉が飛び交うえげつない世界でもある。感情的な人が多く、競争の激しい世界で生き延びていくには、Fの4文字言葉をはきたくなることもあるだろう。
あるとき、こんなことがあった。ダナ・キヤランの会議が白熱してきて、4文字言葉が飛び交い始めた。すると滝は黙って席をたち、会議室から姿を消した。
会議室にいた人は、滝は洗面所にでも行ったのかと思ったが、それにしては長すぎるし、なにも言わないのもへんだと思い、怒鳴りあうのをやめてしまった。
すると滝は、何食わぬ顔で会議室に戻っていった。そして会議は平穏に進められた。滝も怒鳴れば、火に油をそそぐようなものだ。滝のこの無言の行動は、どんな言葉ょりも説得力があり、さらに滝への信頼感を深めることとなった。
滝は、無言と怒鳴ることを巧みに使い分けているのだ。すぐに怒鳴りあうニューヨーカーにとって、滝のこうした態度は新鮮であり、また神秘的ですらあった。
ダナ・キャランもF言葉をはくことがある。「レディなんだから、そんな言葉を使うものではない」と滝はダナに父親が娘をさとすように言うことがあるが、ダナはまるでだだっこのようにF言葉を使い、「会社をつぶしそうになった人の言うことなんか聞かないわ!」と滝の弱みをつつくこともあった。
投資した相手から過去の挫折を言われるのはなんとも辛いものに違いないが、滝はそうした暴言に対してももろに感情を表したりはしない。ダナも落ち着けば、「トミオ!トミオ! 相談があるの」と甘えてくるのだ。こんなふうに感情の揺れがはげしいクリエーターたちと一緒に仕事をするのは並大抵ではない。ニューヨークで一筋縄ではいかないクリエーターたちと仕事をするなかで、滝は自分の感情をコントロールする業を自然と身につけた。こうした処世術を滝はきっと彼の広い交友関係から学んだに違いない。
内容(「BOOK」データベースより)
「マネージ」を世界で実践してきた男の成功ストーリー。