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まだ大学院生だったミンツバーグは、とあるシンポジウムに出席した。大勢の著名な経営学者が詰めかけ、長い時間を掛けて議論していた。しかし、案の定、結論は出ず、何度も一番最初の問いに戻ってしまうのだった。「で、そいつはいったい経営者にどう役に立つのだ?」。
とどのつまり、どの経営学者も(彼らはどう経営すればいいかについて沢山の研究を発表してきた)、経営者が実際に何をしているのかについて、誰もちゃんと知っているものはいなかったのだ。驚いたミンツバーグは、経営学の根っこを掘り起こす(危険きわまりない)仕事に取りかかることになった。
「いったい、経営者は実際には何をやっているのか」
「××戦略論で勝ち残れ」や「△△組織をつくれ!」なんていう繰り言には、「それ、誰がやるの?」と応じておこう。おびただしい数の経営戦略論や組織論(それに経営学者!)が存在するが、優秀な経営者・管理者はまったく少ない。これだけでも、この本の重要性は明らかだ。社会には、たった一人ではできない、まだまだやるべき仕事が沢山あるというのに、だれも組織を引っ張っていく役目なんてやりたがらない。やりたがるヤツの多くはどうしようもない。とにかく優秀な経営者・管理者が足りない。
ミンツバーグが現実の経営者や組織リーダーに密着し、分析の結果とりだした経営者(マネジャー)の10の役割(ロール)は、少しでもグループなり組織なりに関わった人なら、必ず「身にしみる」だろう(彼が取り扱っているマネジャーは会社の社長から大統領、病院や非営利組織のトップ、軍隊の師団長、その他諸々だ)。加えて凡百の経営学者が描いてきたファンタジーがなで切りだ。
しかし、本書の問題意識は、「マネジャーは一体何をしているのか」という素朴なものです。著者は、分刻みで電話や会議に追われているマネジャーの本当の姿を明らかにしています。無味乾燥な理論ではなくて、実際にマネジャーが企業で何をしているのかを明らかにしたという点で、実践と理論の掛け橋になっているような優れた本だと思います。
会社で責任をとるのはトップであるべきであり、実際どういう行動原理で
行動しているのか、彼らのルーチンワークはあるのか、あるとすれば何で
あるか、どのようにこなしていっているのかを論じている。
この点において、この本は非常に面白く、一般人にも読みやすく書かれて
いるので、既に管理職になっている人だけではなく、これから管理職にな
る人、学生さんにも是非ともお勧めする。
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