豊富な図表やデータを用いながら、競争戦略・全社戦略に関する重要な概念を、単なるコトバの羅列に終始するのではなく、その背後のロジックまで丁寧にわかりやすく説明されている優れたテキストである。
各章で関連して取り上げられている事例も興味深くわかりやすい。
重要な概念の説明ひとつひとつに、筆者のこれまでの研究活動が反映されているのではないかと感じた。つまり、それぞれの概念を筆者が自分の言葉で説明していると感じられるのだ。
戦略論の重要なトピックスについて古典から比較的最新のものまで広くカバーされており、これ一冊を通読すれば、ほぼマスターできるだろう。
業界構造分析の方法や経験曲線、PPMの作成方法などについても詳細に解説されており自習者に役立つ。
ひとつ難点を挙げるとすれば、入門書としてはページ数が多いことであろう。しかし、この厚さは、戦略について考え・実践していくための準備としては、最低限必要なものであるという著者のメッセージなのかもしれない。