「マニマニ」には、おしゃれさや可愛さなど、物語に関係ない一切の無駄な虚飾が省かれているように思う。絵はのびのびと、そしてとても自由に、素直に書かれていて、作者の人自身が、飾り気のない素敵な人であろうことを想像させる。
物語の主人公は失業者やヤンキーあがりのおねえさん、婚期を逃した女性教師、ちょっと不登校気味の中学生など、誰にもある弱さを備えた、不完全な人たちばかり。
それぞれが老いや、学歴や、失恋や、人間関係で悩んでいる。
しかし彼らは、幸福のキーをひそかに手にしている。そして、人生のなんでもないふとした瞬間に、小さな幸福のとびらをあける。彼女たちの人生はまだまだこれから前途多難だけど、その人生は、きっと、悪くない。そう思える結末で締めくくられる。
そしてその小さな、どこにでもある幸福が、読者である私には逆にとてもリアルで、とてつも無く羨ましく感じられた。特に北守くんの包容力には感服した!
よくある少女漫画の、できすぎた主人公の話より、こんなふうに等身大の彼らの物語のほうが、大人の心には、ずっとずっと、心地よく響く。
それを実感させてくれたすばらしい作品でした。