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背景や他の登場人物は緻密な線画で描かれているのに、主人公のマドレンカ(と、フラップに隠れた登場人物の子供時代)だけが、柔らかいタッチで描かれている。そのために、マドレンカだけが世界から浮いて見える。
マドレンカ(と昔の子どもたち)は、空想の世界に生きていることを表しているようだ。
また、楽しいストーリーに反して、街は重い雲が垂れ込めたような、どこか不穏な色合いをしているが、空想の世界だけは、ハッとするほど鮮やか。
ストーリーの終わりには「本物の犬を買ってもらえました」というようなハッピーエンドがあるわけでもない。
これは、子供にとっての「特別の一日」ではなく、「ごく普通の一日」のお話なのだ。
何となく「明るく楽しい」だけはない感じが、この世界をよりリアルに、しかも幻想的にしている。作者がチェコの出身だと聞き、「なるほど・・・」と思った。
穴あきのページやめくりフラップも非常に効果的で楽しい。
不思議な魅力でいっぱいのステキな本。おすすめです。
洋書版「Madlenka's Dog」で「中身を見る」ことが出来るので、ぜひ覗いてみて。
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