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しかし、だからと言って、この小説が面白くない、と言うわけでは
ありません。プロレスファンをニヤッとさせ、そうでない人には、
あぁ、そうだったのか、と思わせ、
それなりのミステリーぶりも見せてくれます。
私としては、続編を期待しますが、
ミステリーでなく、格闘技小説として
だしていただきたいと思います。
但し、ミステリーとしての完成度としては荒削りです。また、登場人物の描写も平板で、スピード感溢れる文体だけに、残念でした。そして一番がっかりしたのが、物語の一つの核となるプロレスの裏話が全てミスター高橋のプロレス本から引用されているところ。同じ出版社だし、参考文献にも載せているから、問題はないのだけれども、ミステリーとしては如何なものかな、と。プロットや題材におけるオリジナリティを感じません。
また、プロレスファン以外の読者が、この小説を読んだ時、プロレスが誤解されてしまうのでは、と危惧します。ミスター高橋の本の読者は、殆どプロレスファンですが、こちらは賞も取ったエンターテイメントなので、もっと読者の間口は広いはず。更に、プロレスファンが読んだ時、このミステリーの仕掛けやエピソードは、良い気持ちはしないのでしょうか。登場人物に言わせている言葉と同じく、作者はプロレスを好きなのか嫌いなのか分かりませんでした。
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