このドイツ語原書には、岩波書店と同格の本邦最高の出版社、みすず書房の邦訳がある。どうもそれが大幅な「とばし」をしているのでは、、、と疑念をもったのは、修士論文に取り組んだ数十年も前のこと。今回この第3版が、1926年初版の復刻版として出ているのを知り、手元に置こうと考えて、購入した。かつて貧乏学生の頃は図書館で借りたのだった。
みすず書房は、さすがに詐欺的な、削除箇所があまた見られる邦訳初版の二巻本を一巻本にして売り出した1987年版邦訳で、次のように弁明していた。
「本書の初版とこの訳書の底本とした第二版(1950年)との間には、異同があります。第二版では、初版から62ヵ所の削除を行っています。」541ページ
さすがに良心的だ、と感心しそうになったが、なんとこの一巻本の邦語タイトルの裏のページには依然として、こうあるではないか。
First published by Verlag von J.C.B. Mohr (Paul Siebeck), 1926
これでは、誰だって、この邦訳の底本が1926年版と思ってしまう。
みすず書房の編集責任者は、よくよく往生際の悪いやつであるな。
肝心の中身は、1000ページを超えるラートカウのウェーバー伝の大著、最近、英訳も出たので、これと比較しながら再検討するのもいい。ウェーバーの女性関係を暴く『マックス・ウェーバーと妻マリアンネ』は期待はずれだったが、その妻の夫マックス礼賛の書物として楽しめるはずで、絶対のお薦めだ。