マッキントッシュのCM盤と考えればいいと思います。同社は,アナログオーディオアンプに於いては今でも世界最高峰と私は思っていますが,このCDはSACDの宣伝というよりは同社の宣伝盤です。数ページからなる豪華(?)カラーブックレットは,純粋に同社の製品カタログです。1枚ものの貧乏臭い白黒解説書も付いていますが,やはり2/3が同社のCMです。残りの1/3には,各曲のテストCDとしての聴き処が極簡単に説明されています。こちらはジャズボーカル盤と異なり1枚のハイブリッドSACDです。
位置付けはあくまでも音質チェック用ですので,楽曲は部分抜き出しのオムニバスであるのは致し方ないでしょう。手持ちのクラシックにはSACDというのはあまりないのですが,このCDの音質はかなり優れています。当方のスピーカーはタンノイのフルサイズSRMで,クラシックよりもジャズの再生に秀でていますが,それでも残響や空気感を非常によく再生してくれるCDです。
多くのSACDに共通して言えることですが,音の明瞭さと定位,音場の広がり(特に奥行き感)の再現には感心します。たまに出来の悪いSACDもありますがw
自分のオーディオ機器と他の機器との聴き比べ,あるいは機器購入時に製品を選ぶ為の試聴用のソースとして1枚あると便利かも知れません。といってもSACDを再生できるCDプレーヤーが備わっていればですが。ノーマルの方のレイヤーは聞いていないので,そちらの音質が比較用になるかは不明です。
選曲も,編成や楽器に変化をもたせてあり,様々な状況の音をチェック出来るよく考えられた構成になっています。個人的には8曲目のピアソラのリベルタンゴに感動しました。元々ピアソラは好きなので色んな曲を聴きますし,リベルタンゴも何バージョンかありますが,このCDでは編曲も音質も優れており,聴いていて涙が出てしまいました。
基準とするテストソースとして持っていると便利なCDですし,上記リベルタンゴを聴く為だけでも購入の価値があると,ピアソラ好きの私は思います。ただ,値段が高いので星1個減らしておきます。