1枚のチャートを作成するのにかつては10時間かかったものだが、今では10分もコンピュータのキーボードをたたけば誰でも作れる時代である。しかし強い視覚効果の裏にあるその原則―― 作成者の論点とその根拠、および論の効果的な展開のしかた―― に変わりはない。
『Say It With Charts, Fourth Edition』はジーン・ゼラズニーによるベストセラーのプレゼンテーション・ガイドの最新版。その中で著者は、効果的なプレゼンテーションをするためにはまず、先人の知恵を踏襲することが大事であるという。そのうえで、どのようにその知恵と今日の最先端技術を組み合わせたら鮮やかで印象的な映像が作成できるかを解説する。この包括的なプレゼンテーション百科事典で参照していただきたいのは、たとえば次のような情報である。
(日経コンピュータ 2004/10/04 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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ただ、こういうことは社会人になってある程度経てば自ずと身についてきます。『マッキンゼー流図解の技術』という立派なタイトルがついているので、何か画期的なすごい方法があるのではないかと大きな期待を持って読むと、残念ながらそんな方法は書かれていないので、がっかりします。
しかし、初心者向けとして読むのであれば、悪い本ではありません。原題『SAY IT WITH CHARTS』を『マッキンゼー流図解の技術』と訳する出版社の商魂に注意しさえすれば、わかりやすく良い本だと思いました。
“図解”というが、カバー範囲はあくまで一般的かつ基本的な“グラフ”に止まる。“マ~流図解”というのは明らかに言い過ぎ。
クライアントとして彼らから受けとるパッケージにはこういったグラフだけでなく、実に多様な「図」が概念図や例示などで使われていた。本書が取り上げないような複雑な諸々の現象の、大きさ・構造・相互関係などが明解にVisualに落とし込まれており、“マ~流図解の技術”は確かに存在するのだと感じた。だが、それらは本書では網羅されていない。
原書には「マ~流」などという冠はついていない。訳書があえてこの冠を付ける正当な理由は何であろうか。せめて上記のような“技術”を少しでも盛り込む努力をして欲しかった。
読者の期待に違うことを承知の上での、販売増を狙った安易なネーミングに悪意さえ感じる。
また後半の図柄集は、切り貼りでチャートを作っていた大昔にはまだ使い途があっただろうが、プレゼンツール、素材集がここまで普及した世の中ではまったく使い道が無いのでは。しかもUSのコミック風の描画タッチのまま訳書に載せても日本人には使えない。後半は紙の無駄。
しかも使われているチャートは、定量的なグラフや、日本的なセンスの無い図(仕事で、外資系企業からプレゼンを受けて、図や色使いに違和感を感じたことのある方ならばわかるでしょう)に偏っているので、実用性は極めて低い。コンサルティングでは第三者の立場として定量的な資料の提示は必須ですが、一般的な事業に取り組む人々にとっては、むしろ定性的な資料作成の方が多いはずで、そういう人がカッコ良い絵を書こうと思って期待したらガッカリすることでしょう。
この本を買うぐらいだったら、『ロジカルプレゼンテーション』『プロフェッショナル・プレゼンテーション』の二冊を読み込んだ方が、はるかに実用的です。これに図のバリエーションを増やしたい人は、少し前に流行った「図解の技術」系の本を読めば十分。
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