マタギは何故熊を食べるのか?
生きるためである。
雪深い北東北の山中がマタギ発祥の地。
住むに不便極まりないと思われがちな山里。
しかしこの地は江戸時代の飢饉にも餓死者を出さなかった。
それは何故か?
マタギ、山の民の知恵があったから。
深い広葉樹の森から自由に食べ物を取り出せたから。
何もかもを世界中から持ってくるグローバルな経済社会の対局がマタギの暮らしだった。
閉じた空間は小さな地球そのものである。
だからマタギは地域を守った。
それが自分達を守る事につながるから。
本書では古のマタギは出てこない。
今現在息をしているマタギ達の記録である。
熊を追い、撃ち、解体して食べる。
それは単に肉を得る行為ではない。
マタギの共同体を維持するために必要な儀式である。
それがあって厳しい自然環境の中で生き抜く結束が生まれる。
集団が維持できてこそ様々な技術も伝承される。
山菜、キノコ、多様な川魚の捕り方。
生きる力、知恵を守り伝えてこそ地域は生き残れるのだ。
熊やウサギを食べるのは何もカロリーの為だけではなかった。
マタギは今消えようとしている。
マタギの里からマタギが消える日はそう遠くない。
登録情報
|
|
|
|