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まずはボブ・ディラン自身による4曲を聴いてみよう。怒気をはらんだニュー・ヴァージョンとして生まれ変わった「Cold Irons Bound」と、驚くほど達者なツアー・バンドを加えての「Down in the Flood」に注目だ。次は重量級ゴスペル。シャーリー・シーザーは「Gotta Serve Somebody」を絶唱し、ディキシー・ハミングバーズは「City of Gold」で心洗われるようなカントリー・フォークを披露する。だが、これらやロス・ロボス、グレイトフル・デッドによるトラックは単なるウォーミング・アップだ。ここからCDは一段と見事な第3部へと突入する――世界各地のさまざまな知られざるアーティストたちによるディランのカヴァー集だ。真心ブラザーズが日本語で歌った「My Back Pages」あり、アルティコロ31がイタリア語のヒップ・ホップとしてリメイクした「Like a Rolling Stone」(ここでは「Come Una Pietra Scalciata」!)あり、トルコのポップ・スター、セルタブ・エレネルによるストリングスを駆使した魅力的な「One More Cup of Coffee」あり、スウェーデン人歌手ソフィー・セルマーニの優しくさり気ない「Most of the Time」ありといった内容である。
こういったクレイジーな多言語的アプローチは、奇妙にもディランの天才性を浮き彫りにしている。不愉快なダイアローグ(2回挿入されるが、このアルバムにとっては玉にキズ)や映画本編のぜい弱な芸術性よりもディランにふさわしいといえるだろう。(Keith Moerer, Amazon.com)
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そして、CD1の残りは、ほかのアーティストによるディラン曲のカヴァーで、新録あり、既発盤からの再録あり、男性ヴォーカルあり、女性ヴォーカル(2、5、9)あり。1は「真心ブラザーズ」の日本語詞ヴァージョン。6、10はメキシカン風のアレンジ。8はディランのオリジナルをサンプリング、リミックスした超クールなヒップホップ。14はディランがソングライトした未発表曲をディキシー・ハミングバーズが演奏。ブックレットによると、この14と2は、映画には出てこないそうです。
やはり、13が映画のクライマックスで流れることも示すように、映画の展開・盛り上がりと、サントラでの楽曲の選択とは、切り離せないようで、このサントラは、聴いていくうちに味が出ることよりも一回聴いてわかるインパクト、ムードを重視しているようです。
三つ折デジパック内に挿入された説明文・広告文によると、CD2の1は、今後発売予定の“The Bootleg Series Vol. #6, Bob Dylan Live 1964, The Philharmonic Hall Concert”より収録の弾き語り。そして、2から6は、まもなく発売される、ディランのオリジナル・アルバムのリマスター/ハイブリッドSACD盤十五枚より抜粋収録とのこと。7はCD1の13をそのまま収録。つまり、リマスター自体は聴きやすいのですが、現時点(2003年7月22日)でこれから発売されるものをハイライトしたサンプラー(と書いてある)にすぎませんので、要注意。
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