カヴァレッロの「道化師」とカップルで売られることが多かったが、私は、「道化師」はカニオのアリア以外は駄作だと思う。一方、この作品は有名なトゥリドゥの終幕のアリア以外にも珠玉の名曲で綴られた名曲揃いの名編。前奏曲、間奏曲の美しさは言語を絶するが、出てくる歌という歌が、単に美しいというより、イタリアに行って戻ってきたあの「余韻」を髣髴とさせる土着の魅力が凄い。で、この盤のよさは、既に他のレヴューで語り尽くされた感があるが、やはりセラフィンの名指揮に尽きると思う。デル・モナコは名唱だが、パヴァロッティやコレッリやビョルリンクの名唱は、肩を並べるだろう。シミオナートの名唱も、ヴァラディ、ヴァルツアなど比肩するものはある。が、全体としての叙情性は、再現不可能な良き時代の何かがある。