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双子の兄弟の兄の妻が殺され、彼女の妹ユカリ、彼女をかつて愛していた推理作家・空知雅也、私立探偵小桑龍が真相に迫る。双子のダイアローグから始まるので、犯人は最初からわかっているようにみえる。しかし、空知が自作の中で使う鉄道トリックを地でゆくような作戦なのか、同じ顔の2人が途中で入れ替わったとしてもアリバイは鉄壁だった。そして、それを何とか小桑が崩したかに見えた直後、今度は双子の兄弟の1人が殺され、頭と手首を切断された死体では兄か弟かわからない上、どちらも行方不明・・・
第一の殺人も第二の殺人も犯人がわからないまま、警察と探偵の捜査は続く。途中で何となく真相が見えかけては来るのだが、時々挿入される空知の作品の一部や、カーの『三つの棺』における「密室談義」ならぬ、空知の「アリバイ談義」も興味深い。
何とあとがきによれば、「長編を」と依頼を受けたのは処女作が出る前だそうである。双子トリック、時刻表トリック、そしてドラマの面白さ。贅沢な作品である。
推理小説家、探偵、双子とミステリに欠かせない要素満載の作品だ。
終盤は本当に手に汗握る展開で、本格ミステリの名にふさわしい謎解きとスリルを味わうことが出来る。
有栖川氏の作品の良さは物語の終わりにあると思う。
どんなにいい作品だったとしても終わりどころを間違えてしまえば駄作にさえなる。
投げかけられた最後の台詞は、読者に素晴らしい余韻をプレゼントしてくれる。
是非浸ってほしい。
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