まるで一本の映画を見ているような絵本。
初めて芸術の想像力に触れたマシューが、それまでみすぼらしいとさえ感じていた屋根裏の一角に光り輝く美しさを見出す場面は圧巻。初めて読んだとき、絵が本当に動き出したような気がするくらい感動的な場面で、個人的には特に印象に残っている。人生には陰と陽があるのかも知れないが、その「陰」さえも想像力によって「陽」に変わるのだと教えてくれることが、こんなに勇気付けられるものだとは思わなかった。
もうひとつ、私が気に入っているのは、ストーリーにしっかりと「恋愛」が入っていること。
人生の転機に芸術と運命の人が一緒にやってくるとは、なんともうらやましい!
ともかく、とても色鮮やかなビジュアルで絵だけを見ていても楽しいし、ストーリーと構成も見事(表紙がマシューの「ゆめ」の中という演出もニクイ)。
こどもにはもちろん、誰にいつどんな場面でもオススメしたい作品だが、気が滅入っている時などに読むと、この作品の力がよく分かるかもしれない。