Funkadelicの名盤と呼ばれる"Maggot Brain"。ただ、このアルバムがP-Funkのスタイルであるとは言えない。そして、P-Funk集団の総帥、George Clintonの才能が存分に発揮されたアルバムという訳でもない。どちらかと言えば、このアルバムは当時のFunkadelicのギタリストEddie Hazelの存在あっての傑作だと思う。ただ、紛れも無くFunkadelicの作品の中でも飛び抜けた存在感を放っているのは確かだ。
作品全体の完成度はそれほど高いと言う訳ではない。ただ、10分以上にも及ぶインスト曲、オープニングを飾る"Maggot Brain"のEddie Hazelのギターは、正に怨念にも似た激しさが溢れている。たった4つのコード進行で、しかもギター以外の楽器は収録されていない(オープニングに語りは入っているが)。それでも10分が全く長く感じられないほど、ドラマティックで思わず魅了させられてしまう演奏だ。EddieのギターアイドルであるJimi Hendrixがこのアルバム発売の1年前に亡くなっている。EddieのJimiに対する鎮魂でもあるのか、それともJimiの亡霊が乗り移っているのか、これだけの名演は神懸りとしかいいようがない。
この時期までのFunkadelicは、まだファンクというよりロックと言う言葉が相応しいように思う。P-Funkの入門的な作品としてではなく、Jimi Hendrix等のブラックロック好きに好まれるアルバムであると思う。ただ、Funkadelicの歴史を辿っていくには、欠かせない名盤である事は間違い無い。