このまま行くと数十年後には枯渇してしまうという原油、石油に代わるエネルギーとして最も有望視され、年々比率が高まっていく原子力発電。
しかしそれは諸刃の剣である。
この小説はファンドという世界に生きてきた女性が、地熱発電の会社を任される事から始まる、彼女同様、地熱というものに全く知識がなかった私だが、彼女と共に地熱エネルギーに関する知識を学ぶ事ができた、それと同時に話題にファンドとはどういうものでどういう世界なのかの一端を知ることもできた。
小説の構成もよくできているし、多様な登場人物もよく描けている。これだけ登場人物が多いとどこかでつじつまが合わなくなったり人物の性格や役割の一貫性がなくなってしまう事が多いのだが、そこもきちんとしている。又、ぼかしてしまった謎が尻切れとんぼになっていなくて本当に小説として読み応えがある。そしてこういった小説に蛇足のように着いてくる恋愛譚がなかったのが何より現実的である。
確かに現実とはかなり離れているだとうという設定ではあるしかし、小説として非常に面白く一気に読んでしまった。あらゆる意味で一流のエンターテイメント作品だと思う。