すごく好きな作品。
誰もが後悔を抱えている、失敗を犯す、それが人生。
過去は逃げても追ってくる―のだけれど、
これをどこまでも「失敗する人間」に拠って描いている。
その失敗する人間、悩める人間への拠り方が暖かい。
見ていると自分も登場人物の一人のような気がしてくる。
自分の犯した、犯し続けている過ちを許されたい、と望む登場人物の一人。
つまるところ、これはどこにでもありうる話なのだ。
3時間もの間、ほぼノンストップで群像劇は続く―
音楽が場所を越えて人と人をつなぐ。
そして彼らの上には同じ空がある。
煩悶、後悔、憤慨の感情のほとばしりを代弁するような空。
偶然であろうとなかろうと、
誰にでも誤りがあり、不遇の経験があり、つまるところ過去がある。
もし一言で簡単にそれを秘密、あるいは悩みと呼ぶならば、
秘密が人を結びつけるのだ。
悩みが他人の理解を、人間のつながりを可能にするのだ。
「悔悛」はこの映画のひとつのテーマだけれど、
過去やら何やらに向き合うのに一人では人間心細い。
必要なのは理解を示してくれる他者と、
ほんの少し一人で自分に向き合う時間。
それ(=失敗や後悔の繰り返し)は続いていく―
あなたが賢くなるまで…
登場人物たちが歌い継ぐシーンが、
ゴスペルのような静謐さ、神聖さをたたえている。