何気なく手にして読んだ本書ですが、時同じくして「ユダの福音書」関連の本も読みました。
底に流れている意識、概念が共通していると感じてざわざわとした胸騒ぎを覚えました。
つまり、これまでキリスト教会が作り上げてきた聖典としての聖書は、権力者の手によって
意図的にねじまげられたものだということの告発です。
20世紀から21世紀にかけて、特にこの30年くらいの間にとてもたくさんの精神世界、神秘世界
に関する情報が公開されています。
エドガー・ケイシーにさかのぼっても、チャネリングにはかならずといっていいほど
ついてまわるのがキリストにまつわる隠された真実に対する興味です。
おそらく読者の層は異なると思われる「マグダラの書」と、より一般向けに編集されて
いる「ユダの福音書」関連書ですが、並べて読むと不思議なくらい同じ世界観を共有して
いるのです。
ユダも。マグダラのマリアも。裏切り者、卑賤の者とされた者は、実は高度に覚醒した
者たちだったこと。キリストと宇宙の秘密を真実わかちあえるのは、悪者にされた
彼らの方であったこと・・・。
たしかに、エジプトに神秘学の奥義があったこと、それをキリストの生きた頃の
覚醒者は身に着けていたであろうことは容易に信じられます。そしてその歴史を
葬り去って、神秘の知識の断絶を実現してしまった、2000年間の施政者たち。
繰り返しあらわれる断片的な記述をつなぎあわせて、その神秘の世界の奥深さの全容を、
想像するしかないわたしたち・・・。
この本はそんな世界を、マグダラのマリアというひとりの女性の語り、という手法を
とって、短いながらも的確に見せてくれる、すてきな物語だと感じました。同時に内容に
力強さがあるので読後も余韻をひきます。
☆4つにしたのは、あえて「性魔術」という副題が必要だったのかな〜と、思った点。
性魔術がかならずしも内容のキーワードではないのにそのことばを選んだ理由に疑問を
持ったからです。