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41 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
個人の意思や力を重視する現代的な視点,
By bluepasta (Brooklyn, NY USA) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: マクベス (新潮文庫) (文庫)
スウェーデンとの戦争の立役者、スコットランドの武将マクベスは、荒野で三人の魔女にスコットランドの王になるとの奇怪な予言を受ける。予言の内容は次々に実現し、夫人にもそそのかされ、マクベスは王ダンカンを自身の城で弑し、みずから王となるが・・・。シェイクスピア四大悲劇のなかでも、もっとも密度が高い凝集力をもつと言われる作品です。読み手によって、さまざまな解釈が可能、つまり受けとれるメッセージの幅広さに、シェイクスピアならではの奥行きの深さを感じます。 「悪」の側にずるずると入り込んでいくマクベスですが、全編を通して表現されている彼の葛藤はやはり、「善」と「悪」の分水嶺を認識していればこそなのではないでしょうか? マクベスもマクベス夫人も良心のかけらがあればこそ悩み、狂気の底へ落ちていったように思います。良心を一方にもちながらも、何かに突き動かされるように、悪業を行ってしまう人間の心理を見事にとらえている、そんなことを感じました。 ところで、ギリシア悲劇は、本人は悪くないのに知らず知らずのうちに悲劇的結末に突き進んでしまう、という構造、つまり神々によって運命が定められている、という世界観に基づいています。それと比較すると、ある程度自身でコントロールがきくはずなのに、何故かはどめがきかなくなり、どうしようもなく間違った方向に行ってしまう、というのがシェイクスピア悲劇の特徴ではないでしょうか? その世界観には、宗教的な運命論よりも、個々人の内面に対する視点が見られます。個人の能力、意志、といったものに、一定の独自性、重点をおいている、という意味で、シェイクスピア劇はつとめて現代的なものだと言えるのかもしれません。
17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
古典とは思えないリアルティー,
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レビュー対象商品: マクベス (新潮文庫) (文庫)
初めて読んだ。全く古典とは思えないリアルティーである。3人の魔女までがまるで目の前にいて声が聞こえてくるよう である。その他の登場人物にしても、城や扉がたたかれる音、 重い扉がギーッと音をたてて開かれる音が聞こえてくるような 錯覚を覚えるほどだ。 話の筋は全く救いがない。妙な野心を起こしたばかりに自滅 していくマクベスを哀れと思うか憎むかは各人しだいである が、シェークスピアは単なる勧善懲悪の話ではなく、もっと 深いところで訴えたいところがあったのではないであろうか、 そう思われてならない。 最初に手にとるシェークスピア本としては最適であるといえ るほどの凝集力をこの本は持っている。シェークスピア劇をぜ ひ見たくなった。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
人間の本質と弱さを突く,
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レビュー対象商品: マクベス (新潮文庫) (文庫)
シェイクスピアの作品は、実際の演劇を見てから読むに限る。舞台での台詞のテンポと臨場感を一度経験しておくと、文学として読む作品に生命が宿る感覚を覚える。どの作品もそうだが、マクベスも、シェイクスピアの人間の本質と弱さをシニカルに描いた作品と言うべきだろう。無闇に人生訓のようなものを導き出すのは良くないが、やはりどうしても、シニカルな視線の中に、学び取らねばならないものを感じてしまう。この作品では、魔女の囁きにそそのかれ、独善的となり、高揚した主人公が、冷静さを失ったゆえに、結局は身の破滅を導く、というストーリー。治世というレベルでなくとも、あらゆる人生の場面で、こんなことはあるものだ。 それにしても、やはりシェイクスピアの詩のような言い回し、巧みな比喩には、美しさを覚える。このような美しさ、それも”冷徹な美しさ”こそ、天才のなさる業だろう。
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