牧野由依、1年3ヶ月ぶりのニュー・アルバム。
今作は4ヶ月連続でシングルを切ったりと実に精力的に活動してる感が。
そもそも1年ちょいで発表するというのもいいペースだし、大学卒業という区切りのいい時期に
リリースというのもいいタイミングだと思う。で、このタイトルに決まったと。
牧野由依はいわゆる声優アーティストという括りになるけれど
個人的にはちょっと違くて、どちらかというとミュージシャンタイプという印象が強い。
例えば、1曲目の「雨の日の噴水」は彼女が始めてピアノの発表会で披露した曲で、
幼いころから音楽に触れているだけあり、音楽的なセンスはかなり高い。
それは彼女のライブなどを見れば容易に判るだろうが、この作品でも垣間見ることが出来る。
また歌い方に関しても抑揚の付け方や、歌の質感や説得力のフィーリングがかなり高い。
TVなどで伝わってるかもしれないが、CDで直接聴くとよりそれを感じる。
だからアニソン好き以外にも是非聴いて欲しいと思うほど、基本的なクオリティが高い。
このアルバムは今までとは違うエッセンスの曲もいくつか入っており、CMでオンエアされている
「三月物語」は非常に躍動感に満ちたバンドサウンドを抜けのいい歌声で見事に歌いこなしている。
また「DESTINY」という曲も今までにはなかった、繊細な悲しみを歌う彼女には珍しい曲。
個人的には「つきのしじま」と「遠くまで行こう」の流れがとても好き。
ここら辺は今まで以上に洗練された感じがするというか、ゆったりとした世界に浸れる。
一応いっておくと、ただゆったりしてるだけじゃなくメロディと歌がとても綺麗なので
いわゆる「ぬるい感じ」など全く感じさせない。
そして最新シングルの「スピラーレ」。この曲は「ザ・牧野由依」という感じで
正に彼女の王道ともいえる素晴らしい一曲に仕上がっている。心の奥まで響き渡るようなその歌声は
唯一無二というか、簡単には替えが利かない個性溢れるものだと感じる。
そして彼女が作詞作曲した「ソルフェージュ」という曲。前作にも彼女が直接描いた曲があったが
正直それとは感じが違うというか、今回のは歌詞も曲もシリアスで張り詰めたような改心の一曲に
なっていて彼女のソングライティングも実はかなり懐が広いのではないか?と思わせる。
音楽的なバックボーンもあるのでこれからは是非彼女が作った楽曲もたくさん聴いてみたい。
個人的には前作よりもこっちのほうがアルバムとしてまとまりがあるな、と感じた。
セルフタイトルを冠するにふさわしい傑作。