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マキアヴェッリと『君主論』 (講談社学術文庫 (1109))
 
 

マキアヴェッリと『君主論』 (講談社学術文庫 (1109)) [文庫]

佐々木 毅
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

小国分立し戦乱が絶え間なかったルネサンス期イタリアにあって、マキアヴェッリは権力の本質、その獲得と維持の方法、喪失の原因を追究した。政変により2度も追放の憂き目を見る数奇な運命のなかで、彼が著した『君主論』は近代政治学の嚆矢となる。本書はマキアヴェッリの主著『君主論』を全訳するとともに、その生涯をとりまく華麗な歴史群像を描写しながら思想形成の背景を明らしにした力作である。

著者紹介

1942年秋田県生まれ。東大法学部政治学科卒業。東大法学部教授。専攻は政治学史、政治思想。主な著書に『マキアヴェッリの政治思想』『主権・抵抗権・寛容』『プラトンと政治』『近代政治思想の誕生』『現代アメリカの保守主義』『保守化と政治的意味空間』など。学術文庫に『アメリカの保守とリベラル』がある。


登録情報

  • 文庫: 328ページ
  • 出版社: 講談社 (1993/12/27)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061591096
  • ISBN-13: 978-4061591097
  • 発売日: 1993/12/27
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 123,407位 (本のベストセラーを見る)
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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 昔の人であれ今の人であれ、人間の内面や本性といったものはさほど変わりはしないので、ルネッサンス期イタリアのマキアヴェリによる権力への考察は、それが「人間」なるものの本質に肉薄しているが故に、現代の日本人にも説得力をもって語りかけてきます。
 他方、「君主論」は当時のイタリアを中心とする国内的・国際的な権力闘争に対する観察によって生を受けた著作であり、具体的な時代背景の産物であることは間違いありません。そうした意味において、マキアヴェリのアプローチの妥当性やその限界を知るためには、彼の生きた時代のイタリアが置かれた戦略環境やフィレンツェ内外における権力闘争といった事柄を理解することが必要になります。
 そこで本書では、前半部分でマキアヴェリの生涯を通じて「君主論」の背景となる時代状況を解説し、後半部分に「君主論」そのものの邦訳を収めるという形になっており、背景を含めたマキアヴェリ政治思想全体への理解の下、「君主論」に対する深い理解が得られるよう工夫がなされています。本文中の注という形で背景等を加えるよりも、読み易く、また総合的に理解できるのではないでしょうか。
 「君主論」は「権謀術数」の教科書のように理解される向きが強く、甚だしきに至っては商戦や経営の観点から解説がなされたりすることさえありますが、本書を読めば、そうした理解が如何に皮相的なものであるか、自ら見えてこようかと思います。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By daepodong VINE™ メンバー
形式:文庫
 まず、わたくしは他の訳者による翻訳には目を通していないため、佐々木氏の翻訳がベストなものであるかの判断はできないことをお断りしておく。
 一般的に、古典の条件は、その時代背景の中で読まれなくても、読まれた時代時代において資するものである、ということであると思われる。しかるに、この「君主論」は「マキャベリズム」ということばを生み出したように、時代背景から切り離されて読まれることで多大な誤解を生み出してきたことはよく知られている。そのような場合、やはりマキャベリの生涯を辿ることで、この著作がどのような意図のもとに生み出されてきたのかを洞察することは正しい理解のために必須であろう。本書は前半にマキャベリの伝記を置き、同時にフィレンツェを取り巻く時代状況にも言及しながら、「君主論」が生み出された背景を的確に叙述している。この前半の知識を基に後半の本文を読めば、そのような誤解を最小限にとどめることができる、という前提のもとに執筆されている。そして、わたくしの見る限りそのような訳者の意図は達成されていると思われる。
 他のレビュアーの方も触れている通り、マキャベリが理想的な君主として言及しているチェーザレ・ボルジアの生涯を題材にした塩野七生の「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」も併せて読むと、この本の理解も一層深まるのではないか。
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15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
形式:文庫
マキャヴェッリの『君主論』の邦訳はいくつもあり、本書もその一つ。こちらの特徴は日本を代表する政治学者で、現東大総長(2003)の佐々木毅氏が、マキャヴェッリを「近代政治学の祖」と位置づけて彼の生涯、当時のヨーロッパ、イタリアの政治・社会状況、そしてマキャヴェッリが独自の政治思想を形成する過程を追う大部の論考が最初に置かれている点である。他の邦訳で巻末の注釈として扱われる内容がひとつの読み物となり、豊富な予備知識を得ることができる。他のヨーロッパ諸国とは異なる、近代統一まで統一国家を成したことのない、「コムーネ」に代表されるイタリアの都市国家群としての性格の分析が詳しく興味深い。著者は『君主論』を現代の処世に役立つ「マキャヴェリズム」の教科書ではなく、読者に当時のルネッサンス・イタリアの人々と同時代の人間になってもらい、近代政治学の誕生の現場に立ち会わせることを企図していると思われる。
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