謎めいたジジイ指揮者・天道徹三郎が、一度は解散したオーケストラ団員たちを相手に、奇跡の演奏会を成し遂げるまでを描いた音楽マンガ。オケの団員たちが、天道の凄さに徐々に気づいていき、ひとつにまとまっていく長いインターバルを経て、話が最高潮に達するシリーズ最後の第3巻。
ベートーヴェンの交響曲『運命』と、シューベルトの『未完成』交響曲の演奏会の様子を、ダイナミックで圧倒的な展開力(見開き頁の、ほとばしるコマの威力を見よ!)で描き切った第21話「コンサート 第一夜」と最終話「コンサート 第二夜」。
マエストロとオーケストラが音楽を解き放ち、生き生きとして豊かな音楽が、会場を埋めた聴衆の心に届く様が、実にドラマチックに描き出されていて、胸がいっぱいになりました。ふたつのコンサート風景が、それぞれに感動的なんだなあ。心に強く響くものがあって、涙がこぼれました。
話の中に「菊名青果店」がちょろっと出てくるんですね。著者のマンガ『神童』のワオとうたのふたりが、店の二階でピアノを弾いてたりして・・・なんてね、想像して、くすりとしちゃった。
絵は下手っぴいだけれど、音楽することの素晴らしさ、音楽を共有して生まれる感動が、生き生きとしたメッセージとなって描き出されていたところ。そこが、とってもよかった。
久しぶりに、オーケストラのコンサートに足を運んでみるのもいいかな、なーんて気持ちにさせてくれた音楽マンガ。クラシック音楽ファンでマンガも好きな方に、「これ、いいっすよー♪」と、おすすめしたいな。