正月映画用の宣伝文句と邦題のおかげで
甘い映画を想像して、エライ目にあったという声もあったが
1本のハードな復讐劇として見ごたえのある作品だ。
前半は比較的淡々とした、デンゼルとダコタの交流が描かれるが
ダコタが誘拐されてから雰囲気が一変する。
誘拐組織への戒めとしてのデンゼルの鬼神のような
追い詰めが凄まじい。
監督トニースコットの隠れた佳作「リベンジ」を思い起こさせ
衝撃的なヴァイオレンス描写と、目まぐるしいカットで
一気に広範1時間を見せ切る。
最後の決着は原作(燃える男)とはまったく別のもだが
苦い勝利の切なさに胸がしめつけられる。
やや凝り過ぎなカットには賛否あるが
南米の空気感や怪しい雰囲気が見事に画面に描かれている。
DVDとしては北米版では特典がほとんど無く
不満が残ったが、国内のプレミアム・エディションは
別パターンのエンディングなど注目される内要だ。
音響的には、中盤の銃撃シーンや
後半のアクション描写が痛々しく、身に突き刺さるような
生々しさがある。デンゼルの組織を追い詰める時の
「声」の恐さも、いままでの彼とは違った新たな一面だ。
脇にクリストファー・ウォーケン
ミッキー・ローク等も出演しており
それぞれが重みのある演技もみせているのが嬉しい。
暴力描写はかなりキツい部類で、万人には薦められない映画だが
トニー・スコットの力作だ。