昨年(‘10年)リリース時に各方面から大絶賛を浴びていたKANYEの5作目。
なるほど、確かに、これは凄い。
こういう作品を聴かされると、多くの優秀なミュージシャン達が、何故HIP HOPを初めとするクラブミュージックを、自らのサウンドに取り入れようとするのかがよく分かるような気がする。
とにかく、怒涛の構成力と凄まじいばかりの音の情報量に圧倒される作品となっている。
ここまで強烈な作品は、これまでの彼の作品にもなかったように思う。
全編、一時も気を抜けない音の洪水だ。
ズバリ、ポップミュージック史に新たなる歴史を刻み込む、新たなるエポックメイキングなっていると思う。
リリックがあまりに直裁に過ぎるためか、残念ながら、2012年グラミーのベストアルバム部門へのノミネーションはなかったが、実際には、その中に本作のタイトルがあってもなんら不思議ではない。それだけの芸術性も、先進性も有している作品だ。
具体的な概要を説明出来ないで申し訳ないが、とにかくこれは聴いてもらうしかない。間違いなく、この世界観に圧倒されるはずだ。
この感じは、例えば、ジミヘンの『ELECTRIC LADYLAND』なんかを初めて聴いた時と似ている。
近年で言えば、アウトキャストの『SPEAKER BOXX・・・』か。
自らが立っている立ち位置を大きく超えて、よりスケール感のあるジャンルレスなコンテンポラリー・ミュージックを創出する。
本作の持つ意義は、そういう点において、今挙げた2作品に共通した部分があると強く感じるのだ。
・・・これは、軟弱なパーティー仕様のダンスポップではない。
勿論、酒やドラッグや女が主目的である際の、添え物でもない。
純粋なる音楽ファンのための、超超超大真面目な芸術作だ。
ポピュラーミュージック史を変えるかもしれない、革命的なポテンシャルを秘めているかもしれないアルバムなのだ。
・・・例によって、我が国では何も起きていないのだが・・・