往年の映画のテーマのようなクラシカルなイントロで始まる1曲目・・・相変わらず、彼女の音楽には、こういうクラシカルなサウンドが似合う。そんな、余韻をかみ締めつつ淡々と語られる彼女のモノローグのような歌が、いつの間にかこちらの心にそっとひっそり忍び込んでくるみたい。一人で静かに聴くのがいい、一対一という感じ。また、自然に癒されますね。
彼女の場合、良い意味であくが強過ぎない、というと単純な言い方なのですが、変に盛り上がらないとか弾けないとか、ブルージーになり過ぎないとか、上手く言えないけれど、そんな微妙に抑さえた彼女らしさが、アルバム全体を通して聞いていて、自然に何度もきける要因なのかなと。日常に自然に溶け込んでくれるような・・・。
殆どが自作だなんて、相変わらず曲作りの才能を感じます。今回は全体として陰影が感じられていいですね。古いモノクロのフランス映画の色んな場面を見ているような印象。
それと、彼女ってスタンダードとかジャズとかが普通に身の回りに有ったんじゃないかな・・・曲のタイトルにさえ、クラシカルな趣があるように思います。
カバー曲の”虹の彼方に”。ライザ・ミネリのお母さんのジュデイ・ガーランドの歌唱で有名ですが、雨上がりの明るさを思わせるような、このラテン調の解釈はとても素敵です。彼女自身は、はっちゃけてはいなくて淡々と歌っているのですが、何か小さな幸せを見つけたような控えめな嬉しさの表現とでもいうのか、よけいに虹の彼方の何かを信じたくなるそんな気持ちがしました。