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マインド―心の哲学
 
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マインド―心の哲学 [単行本]

ジョン・R. サール , John R. Searle , 山本 貴光 , 吉川 浩満
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「心とは何か?」人々の心を捉えて離さない最難問に、現代哲学の第一人者が挑む。

哲学・心理学・生物学・脳科学の最前線である「心の哲学」を舞台に、従来の見解を次々に論破しながら、独自の「生物学的自然主義」を提示。心の哲学への、もっとも包括的で、もっとも新しく、もっとも明快な、魅惑のイントロダクション。

「自分自身が心の哲学について学ぶ際、最初に手に取りたいと思えるような本を書こうと思う」言語哲学から出発し、近年は心の哲学においても精力的な研究と発言を続けるアメリカの哲学者ジョン・R・サール。哲学者としての円熟味を増したサールが、はじめて一般読者への入門書を書き下ろしました。

昨今の脳ブームは「脳を解明しさえすれば人間の心も説明できる」という風潮すら感じられます。
しかし、心と脳の関係とは、果たして入力信号のオンとオフのように単純なものだったのでしょうか?
サールはこの問題「心脳問題」がさまざまな誤解のもとにたてられた擬似問題であることを指摘します。

従来の心的/物質的という二元論を廃し、因果的な還元/存在論的な還元、一人称的な存在論/三人称的な存在論という区別を新たに導入した点は本書の肝と言えるでしょう。

これにより、ミステリアスなものとして扱われがちな心を、胃の消化と同様、自然現象のひとつと捉え直し、現代の科学的知見との整合性をはかるそれがサールの提唱する「生物学的自然主義」なのです。

内容(「BOOK」データベースより)

よく知られている理論、しかも影響力のある理論が、そもそも全部誤っているという点で、心の哲学は、哲学のなかでも類を見ないテーマである。本書の目的のひとつは、そうした誤った理論へ導かれてしまうやみがたい欲求から、真実を救い出すことにある。これまでにも他の著書、とくに『心の再発見』でこの課題に取り組んできた。だが、本書こそが、心の哲学というテーマ全体への包括的な入門書の試みである。

登録情報

  • 単行本: 410ページ
  • 出版社: 朝日出版社 (2006/03)
  • ISBN-10: 4255003254
  • ISBN-13: 978-4255003252
  • 発売日: 2006/03
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.2 x 3.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 わかりやすさの限界に挑戦。, 2008/2/28
By 
哲学する河童 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: マインド―心の哲学 (単行本)
哲学だけではなく、心理学や脳科学、生物学の知識も動員して書かれた「心の哲学」(心とは何か?)についての包括的な入門書です。
この分野で有名な争いと言えば、「心身問題」(ご存知無い方は、本書を読めば非常にわかりやすく書かれていますのでご安心を)についての二元論からのアプローチと唯物論からのアプローチですが、著者のサールはこれをどちらも誤りだとし、解決策として独自の「生物学的自然主義」を打ち出しています。
これで本当に「心身問題」が解決できているかどうかは、読者が判断するべきなのでしょう。

本書の一番の特長は、あまり哲学に触れたことの無い読者でも理解できるように、哲学的な専門用語を使用するのをできるだけ抑えて書かれてあることでしょう(わかりやすさの限界に挑戦しているかのごとき平易な文章です)。
また、訳が良いので文章がとても読みやすく、注釈も豊富です。

流石に哲学の知識を全く持たない方が読むのはかなりキツい部分もあるかと思いますが、それでもわかりやすい丁寧な説明でなんとかついていけるレベルではないでしょうか。

「心の哲学」という言葉にほんの少しでも「心」を動かされる人にとっては間違いない一冊です。
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22 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ベースは唯物論, 2006/6/6
By 
皿皿 (東京都渋谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: マインド―心の哲学 (単行本)
本書は、心に関する主要な論点や学説を整理した上で著者自身の考えを提示する形式になっているが、全体的には唯物論(心脳同一説・機能主義)がベースになっていると思う。著者は唯物論について、哲学者などの専門家の間では「私たちの時代の宗教といってもいい」とまで言っているが(P73)著者自身も科学に対する信頼は信仰に近い。この点日本では(まず常識を疑えというような)懐疑論ベースの思考が哲学では広まっているので、例えば1章での独我論の軽い扱いや10章での素朴実在論の擁護などに対して、哲学的な?読者の不満が想像される。しかし私を含めた一般の人にとっては自然で読みやすい展開になっていると思う。

著者は、意識を含めた心的現象は脳過程と同一であると主張し、閉じた因果的システムの中で同じ因果的機能(位置・役割)を持つことをその根拠とする。脳の物理的記述に対し、心的用語による記述は機能に即した高レベルの記述である、という関係にある。こういった主張は、基本的に唯物論と言っていい。

ただし、現在の主流的唯物論に対する既存の批判にも正当性があると認めるのが著者の立場である。著者によると、主流的唯物論の欠陥は、心の重要な側面である「意識」と「志向性」、特に意識の質的性格・主観性を取りこぼしている、ということである。その原因は、物理的/心的という区別における排他的用語法の伝統にあり、既存の唯物論はこの伝統に引きずられて意識の強引な「還元」を試み、その結果意識概念の存在意義が抜け落ちてしまう。著者の示す処方箋は、伝統的語法を拒否し、質的・主観的性格を許容するように「物理的なもの」の概念を拡張することである(P157)。

私自身は、「科学」という活動や心的表現に対する見方において著者に不満はあるが、動物と人間を連続的に捉える自然主義には共感する。また、文章が良くて読んでいてとても楽しい。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 言語哲学の論点もふまえた上でないと真価は分かりかねると思います, 2007/11/3
レビュー対象商品: マインド―心の哲学 (単行本)
意識をめぐる諸学説についてデカルトやカントなど古典的な哲学者もとりあげられ
ポイントをふまえて流れが整理されている。意識を巡る学説の整理はさすがとしか
いいようがない。しかも、分かりやすく噛み砕いた表現なので「一般向けの入門書」
ともみえるが、それは早計です。実際は本書での議論の本質を理解するにはどうして
もそれまでの言語哲学の論点をふまえる必要があると思えました。

何故サールが「志向性」にこだわるのか。志向性を表現した記述は「内包性」を
帯びるのに、志向性そのものは内包性を含まないといわれるのか。心身問題を語
るときの議論における誤謬を「記述レベル」にあるみるのはどういう意味か。
そこで「一人称/三人称」という観点が出されることのになるのはなぜか・・・

これらは「指示性の問題」「内在主義/外在主義」など、クリプキやパトナム等の
言語哲学での意識の扱いをふまえた側面が多分にあるからだとおもいます。という
より、もはや意識についての議論は「語る権利」を度外視しては成り立たないから
です。かつ、クリプキやパトナムの議論では組みつくせない意識の、言語の側面が
あるというのが根本的にはサールの立場だからです。彼自身は本書で「生物学的自
然主義」とそれをよんでいます。

なのでいくら表現を易しくしても払拭できない問題自身がはらむ本質的な分かりつ
らさはやはり残ってしまいます。それでもやはり必読に値します。
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